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バンクーバーオリンピック閉会:永遠の休息 [転載記事]

 (2010-02-28:掲載)
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冬の祭典、バンクーバーオリンピックが閉会した。日本の獲得メダルは銀3個、銅2個となったが、色はともかく、大健闘ではないか。

そんな中、特に私が感動(感情移入)した選手を紹介したい。

その方は、スキーモーグル:フリースタイルの里谷 多英さん。1998年の長野大会で日本人女子として冬の大会初めての金メダル。続く2002年ソルトレークシティー大会で銅メダルを獲得した選手である。

モーグルと言えば上村 愛子さんが有名で、常にメダルの期待も高いのだが、オリンピックでの実績は遥かに里谷さんが上。おそらく、プライベートでの出来事が災いして低評価に甘んじていたのだろう。メディアへの露出もほとんど無い。

今大会、女子モーグルの予選・決勝は2月14日に行われた。予選を13位で通過した里谷さん。決勝のスタートライン上に立った彼女の表情はゴーグルで隠されているにもかかわらず、一発逆転に賭けた気迫がヒシヒシと感じられた。スタート直後からエンジン全開、すぐさまトップスピードに到達。それまでの選手とは次元の違う高速ターンでコブを縦に攻め続ける姿に、思わず「来てる、来てる、来てる、来てるよぉー!」と画面に叫んでいた。第一エアをクリアした後もスピードは変わらない。「そのままぁー」と思った直後、運命の第二エアで彼女の五輪は終わった。滑走後「失敗したのでこれまでと比べようがない。悔しい!」と語った。

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彼女の決意に対し、白銀の女神が微笑むことは無かったのだが、しかし私はこう思う。女神は彼女に「競技者として、永遠の休息」を与えたのだと。おそらく歩行すら困難なほどの腰痛に悩まされ続けていたはずである。その体をいたわるように、そして選手としての時間よりも、今後の人生の方がはるかに長いことを諭したのだ。進退は未定と聞いている、が、娘を持つ父親として言わせて頂ければ、「もう充分では」と伝えたい。

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昨今の軟弱男子にサムライの称号を与えるメディアの安易さ・無責任さ。

そんな胡散臭さを払拭し、一途に明日を見続けた彼女の滑りに、真の「武士の一分ゴールドメダリストの意地)」を感じたのは私だけだろうか。

(2010-02-28掲載:総閲覧回数238)
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編集後記
クソ暑い中、過去記事を紐解いていたら自分なりに”良い記事”と思えるモノが出てきた。
季節的にも涼しげな画像が少し嬉しく無いだろうか?

白銀の世界・・・
もう戻る事はないのだろうが、限りなく憧れの場所でもあるのだよ・・・・


タグ:モーグル
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HOTCOOL

女性にコーチしていた話が印象に残っています。
by HOTCOOL (2014-08-07 04:14) 

pn

永遠の休息かぁ。
by pn (2014-08-07 10:23) 

パウロ

日本撫子の方が肝が座っているよね

今日はお仕事中にバカな質問にお答えいただき
  ありがとうございます
by パウロ (2014-08-07 11:30) 

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